予知保全
予知保全とは、先に記述したように重大トラブルの発生前にトラブルの兆候を感知し、重大トラブルへと事態が拡大する前に対処を行う保全活動のことを言います。
予知保全の枠組みの中では、実際にトラブルが起こる前に異変の兆候を察知し、対応策を行うために予知保全をうまく活用することで、効率のよい保全活動を実現することができます。そのため、予知保全は特に大手企業を中心として導入が進んでいる保全活動です。
ファン、ブロア、送風機は工場全体で見ると高価な設備ではないケースが多くなりますが、生産工程上必須とされているケースが多く、稼動が止まると生産不良の増加やライン自体の停止につながるため、事前に異変を察知することは非常に重要となります
下記には予知保全を行う際の大きな目的を整理します。
予知保全の目的
- ①故障の早期発見と早期機能回復の実施
- 重大トラブルにつながる前に設備劣化の不具合を検出して機能回復を図ることが最大目的となります。
- ②品質不良の予知
- 二つめの目的として、設備の構成要素部品の劣化が重大な問題とならない、いわゆる兆候期においても、構成要素部品が製品品質に関わる部分である場合は品質不良の増加という結果として現れる場合があります。予知保全によりこの品質不良発生の防止が可能です。
- ③寿命予知
- 検査データの蓄積により正確な構成要素部品の寿命を予測が可能になり、コストパフォーマンスに優れた部品交換が実現できます。
- ④暗黙知の形式知化
- 現場の作業員の中で暗黙知化されていた知識を数値データ化して把握することにより効率的技能伝承が可能になります。